プラグインソーラー

系統接続するのはすげえ面倒、というイメージがあったので、グリッドタイインバータの導入は見合わせようと思ってたんだけど、さいきんアメリカから入ってきたこういうのが流行ってるらしい。

"プラグインソーラー、予想以上のパフォーマンスです! 電気料金上がっても平気!" kunisawa.net

プラグインソーラー。小さいグリッドタイインバータをコンセントに繋いで需要を賄うという方法らしい。

なんじゃそれ? 系統に繋がっちゃってるじゃん。グレーすぎるのでは? と思ったんだけど、めちゃめちゃ普通に売ってます。

item.rakuten.co.jp

ほええ〜。規制との兼ね合いはどうなってんの? と思ったんだけど、どうやら民主党政権時代に決まった

「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン

がキモになってるっぽい。この文書、最新がこれなんだけど、「第2章 連系に必要な技術要件」にこのようにあります:

第1節 共通事項 1.電気方式 (1)​(略) (2)発電設備等の電気方式は、次のいずれかに該当する場合には、連系する系統の電気方式と異なってもよいものとする。 ① 最大使用電力に比べ発電設備等の容量が非常に小さく、相間の不平衡による影響が実態上問題とならない場合。 ② 単相3線式の系統に単相2線式200Vの発電設備等を連系する場合であって(後略)

つまりこの「① 最大使用電力に比べ発電設備等の容量が非常に小さく、相間の不平衡による影響が実態上問題とならない場合。」に当たる設備なんですね。プラグインソーラーは。

家庭の需要をカバーするかしないか程度の容量だし、停電時には止まるので、基本的に逆潮流(電気が電柱の方に流れていく)を起こさないし、起こしたとしても「容量が非常に小さ」いから「実態上問題にな」らない。

もうちょっと詳しく書くと、FITで売電の場合はパワコンのグリッドタイインバータで思い切り逆潮流(自分で発電した電気を電力線に逆流させる)させた上で、その量を特設のメーターで測って売電するんですが、自家消費用の場合はとにかくこの「逆潮流」を防げば問題なしという解釈になっている模様。

だから大規模な設備では遮断器の設置などが求められてるんですが、このプラグインソーラーの場合は容量が小さめなこと、「停電時に自動停止」することでそれを担保してるっぽい。

なるほどね〜。制度的な建付けはだいたい理解。まだグレーなとこもあるっちゃあるけど、実態上は問題ない。

最初のブログの設備は400Wで送料込み78900円に単管で組んだ架台が15000円だそうで、年間180日平均2kWhで発電したとすると年間360kWh。10年使えば (78900+15000)円 / 3600kWh = 26円 / kWh

ソーラーとしては割に高いねw しかし電力会社の電気はもう40円前後 / kWhだから、-14円 / kWhの電気製造機ということに。あとは稼働率が上がればそれだけ安くなる感じ。

いやー、これはいい。集合住宅の人でも使えるし、クソたかジャパニーズパワコンが不要。余計な設備が少なければ少ないほど「安い電気」になるので、かなり合理的な方法だと思う。

容量が増えすぎちゃったら逆潮流防止装置とリン酸鉄リチウムバッテリー導入ですな。これもそういうコントローラが売ってるみたい。