ウチの電力需要は450kWh/月ではなかった

ここ数ヶ月はソーラーパネルだけでなく電力量計付きスマートプラグやHEMSで遊んでいたのだが、1日の電力消費量はエアコン無しで450kWh/月程度で概ね安定していた。なので元々そんなもんだったような気になっていた。

ところが先ほど電力会社のサイトで昨年2月から今年1月までのグラフを見たら、こんな感じだった。

どこが450kWhやねん…。これを見ると平均600kWhくらいかな。3〜5月の暖房も冷房も必要のない時期は450に近いので、誤解するのももっともではあるのだが。

とはいえ、いろいろな器具で計測して遊ぶこと自体が「測るだけダイエット」のような効果を生んで、知らん間に節電生活してたのかなとも思う。もっと「湯水のように電気が使い放題」でないとアカンよね。パネルも電池も買い足すべきである。

料金はこの期間の1年間で262529円だった。完全オフグリッドを達成すれば、今の設備投資80万円は4年かからず元が取れることになる。

オール電化オフグリッドでエネルギー無料の生活を実現!

…したわけではないんだけど、発電して遊んでたら、そういう未来がちらっと見えたので書いておく。

ソーラーパネルの電気の活用のため、マイクログリッドタイインバータとオフグリッドインバータを併用している。グリッドタイインバータは既存のAC出力に電力を重畳させるインバータ、オフグリッドインバータは自前で発振してAC出力を作るインバータである。

違いはこれだけではない。グリッドタイインバータは既存の100Vコンセントに接続して電気を流し込む機械であり、電気が余っても出力調整などせず、いつでも全開(だから逆潮流防止にスイッチ等が必要になる)。これに対し、オフグリッドインバータは負荷の分しか発電しない。

それを実感させられたのが今日の経験だ。大きなソーラーパネルの付いたオフグリッドインバータに接続された電子レンジとトースターを同時に使ったタイミングで、バッテリーへの充電が起きたところ、ソーラーパネルが今まで見たこともない3.27kWという出力を叩き出したのだ。

これまで1.2kWも出れば「すごい!」と思っていたのだが、どうやら三味線を弾かれていたようだ。インバータにWiFi接続することで表示されるグラフを見ても、発電量(赤)は朝のバッテリー充電が終わったあとは需要(緑)に合わせてしか発電できないのがよく判る。

この強烈な発電能力を活かすには、というか捨てないためには、電気をどんどん使って別の形のエネルギーに、あるいはもっと一般性高く、「別の価値」に変換する必要がある。

それで自分はトースターで調理したりコーヒーを焙煎したり右往左往した挙げ句、電子レンジでお湯を沸かすまでやった。まあ要するに、出力の凄さを目の辺りにして落ち着きがなくなっていた。

でも、浮かれるのも無理はないと思う。「エネルギーがタダ」という状態はすごく楽しい。アメリカの初期の原発推進派は "Too cheap to meter(測るには安すぎる)" と言っていたらしいが、このはしゃいだ言い方の感覚がよく分かる。湯水のように使っても使っても使い切れない。

現在ウチのシステムは仮設状態で商用電力も使っているため、この「使い切れない!」は擬似的だが、おそらく本接続後も完全には使い切れない。電気自動車などの追加を見込んだ容量になっているからだ。

この多すぎるほどの発電・蓄電容量に対して機器コストは非常に安い。これまでの電力使用量を考えると、投資の回収期間は理論的には3年程度。実際にやったさまざまな非効率を勘案しても、おそらく5年と思われる。利回りなんと20%である(単利)。

しかもソーラーパネルやバッテリーは今後も急速に安くなっていく。90年代にPC自作趣味があった人は、雑誌広告を見てメモリやハードディスクの価格低下にワクワクする日常というのを覚えていると思うが、パネルやバッテリーにはこれに近い価格低下が起きているのだ。これはOur World in Dataにあったソーラーパネル価格のグラフ

リチウムイオンバッテリー価格は2022年に史上初めて上昇したが、これはリチウム価格の一時的なスパイクによるもので、現在は収まっている。そしてLiFePO4電池、さらにはナトリウム電池と、容量あたり、1充放電あたりの価格(サイクルコスト)がめちゃめちゃに安い電池が次々に出て、実質コストはどんどん下がっている。ナトリウム電池などは材料の縛りがまったくないので、あとは学習率(生産経験と規模の拡大による効率向上)だけで驚くほど安くなるはず。

今ですら「お得な投資」なのが、さらに安価になる。そうなれば、これまでのFITなんか問題にならないほど流行るだろう。もともとFITというのは産業の立ち上がりを助けるための仕組みであり、本番はこれからなのだ。機器コストが安くなれば工事費が多くかかっても回収できるため、これまで横目で見ていた人もパネルを欲しがる。東京などは補助金も厚い。逆に化石燃料主体の既存電力会社の電気料金は上がっていく。やらなきゃ損である。

そして同じ工事をするなら、みんな太陽電池を載せられるだけ載せるだろう。するとどうなるか。昼間の電気が猛烈に余るようになる。現在でも土日昼間のJPEXスポット価格は0円に近い。これが常態化するわけだ。

こうなると、余ってる電気を多少効率が悪くても別の価値に変えられる者が得をする。バッテリーに溜めておいて価格の高いときに放出してもいいし、水素に替えて合成燃料にしてもいい。

家庭レベルではヒートポンプ給湯(エコキュート)も蓄電用バッテリーも使うようになるだろう。EVにも充電したい。(なにしろバッテリーが安くなるのだから、EVの普及もあっという間だろう。電池技術に関していまや世界一は中国であり、その先端を行くBYDのシーガルは1充電で400キロ走れて140万円だ。)

電気が十分に溜められるようになれば、みんな思うだろう。「こんなに電気が余ってるなら、もう電力会社の電線が繋がってる必要ってないんじゃないの?」と。*1

かくして、「オール電化&オフグリッドで電気代もガス代もガソリン代も要らない生活!」というのが将来の「あたりまえ」になる。

…これが今日オレが見てきた未来です。田園地帯から普及し、都会も次第にソーラーパネルに覆われていくはず。

ランニングコストとして定常的に出ていくお金が減り、比較的軽い資本性の負担だけになることで、運営(生活)は楽になる。エネルギーは余ってて使い放題。ユートピアではないですか。

むかしむかしの2015年に深圳のMaker Faireに行ったとき、同じ宿に泊った野尻抱介さんと「社会問題のほとんどはエネルギー問題であり、エネルギーが無料ならだいたい解決する」という話で盛り上がったことがあるが(野尻さんのまとめ)、個人レベルでは10年経たずに実現したなあ…と思うと感慨深い。

*1:もちろん、いま急いで既設の電線まで切る必要はない。LOOOPでんきのような基本料金ゼロ円の電力会社と契約し、確実なバックアップとして確保しておけばいいのだ。とはいえ伝統的な巨大電力会社から電気を買う人は非常に少なくなるだろう。

限界ソーラー発電所、現在の機器構成

現在のウチの屋上仮設発電所の機器構成を記録しておく。どんどん変わっていくのでスナップショットだ。

いまウチでは5.1kWのソーラーパネルと5kWhのLiFePO4バッテリーで運用している。これがどのくらいの電力に相当するかというと、普通のご家庭の電気需要(450kWh/月くらい=1日15kWh)に対し、晴れると20kWhほど発電するパネルの方はすこし余る程度(天気が悪い日があると足りない)。バッテリーの方は1日の需要の1/3程度(しかも全容量使ってはならない)なので、オフグリッドにはまるで足らず、ピークシフトには使えるという量である。ウチは普通のご家庭ではないが、電力需要はちょうどこのくらいなので、この数字で考えてほしい。

仮設状態なので、まだ商用電力をたくさん使っている。昼間は4.5kWのパネルが台所とエアコンを支え、600Wのパネルがその他の負荷を削る。台所の分はほぼ完全にオフグリッド状態で、天気に関わらず商用電力を使っていない。ただしエアコンを点け続ければ、夜中にバッテリーが切れて商用電力だけになる。その他の負荷は400W程度でほとんど定常状態。晴れると600Wのパネルが全部の負荷を支えるようになり、逆潮流防止プログラムが働くこともしばしばある。ただし、夜はもちろん発電せず、曇や雨でも100W以下の発電量になるので、ほぼほぼ商用電力で暮らす感じになる。

1日の商用電力の使用量は、発電を始める前に15kWh程度だったのが10kWh程度になった。1日5kWh程度を発電で賄っている。5.1kWのパネルの発電量としては非常に小さいが、これはまだ配線が途中で4.5kWのパネルがほとんど力を発揮していないためだ。

いま実現してること

  • 合計5.1kWのパネルを屋上仮設
  • うち600W分にグリッドタイインバータを取り付けコンセントに給電
  • 4.5kW分を仮設ハイブリッドインバータに接続
  • ハイブリッドインバータは既設分電盤のブレーカーに仮接続
  • 5kWhのバッテリーを、このハイブリッドインバータに仮接続

概念図

まだまだ動かしてみただけということ。

かかった費用

現時点で80万円くらい。闇雲にやって結構な無駄を出してるので、もう一度やるなら10万は圧縮できると思う。

内訳は:

  • パネル45万(30万+15万)
  • インバータ16万(9万+3万+2万)
  • バッテリー13.2万
  • 接続箱1.8万
  • 配線2万
  • その他ちょこちょこ

本設置にはあと:

  • 分電盤2万
  • 配線材2万
  • 架台3万くらい?

かかる予定。電気工事士資格持ちなので工事費はタダ。溶接もできるので架台は材料費のみ。

現在の接続

  • ハイブリッドインバータに接続した負荷: 冷蔵庫 + 台所照明 + 大きめの変動負荷(レンジ等の台所壁コンセント接続機器とエアコン)
  • ハイブリッドインバータ未接続の主な負荷: 照明、サーバー3台、普通のパソコン2台、洗濯機、3Dプリンタ3台
  • グリッドタイインバータ: 廊下のコンセントに接続してハイブリッドインバータ未接続の負荷を補助

使用機材

そこそこ安く買えてるけど、掴まされた!というのもある。

パネル

Solar-Panel Store (AliExpress) Solar Panel Kit Complete with Aluminum Frame

1枚1.5万x10枚。

www.aliexpress.com

掴まされたやつ。オススメしません。

150Wパネルx10で1140.83ドルだったので「1kWあたり750ドルくらいじゃん。安い!」と、12万か13万くらいの気分で注文したら、153040円。1kWあたり10万円切れず。

しかも発電量を数ヶ月計測したところ、「100Wパネルの少し良いやつ」程度しか発電しない。100Wが10枚で153040円では、1kWあたり153040円である。いつの価格だ。しかも1枚燃えた(連絡したら代品を送ってくれたのは良かったが)。

10枚購入したが、稼働してるのは6枚だけ。2枚はインバータ故障でどこにも繋がっておらず、2枚は設置すらしていない。上で「600Wのパネル」と書いているのは、これの6枚分のこと。

アキシテック AC-450MH/144S

1枚3万ちょいx10枚。

www.solar-off.com

こちらが本命。450Wで24750円という激安パネル。しかもドイツメーカー・・・の、中国工場生産品。

購入したソーラーオフというお店(横浜)はメチャメチャ安く、Aliexpressと違ってデータシートの存在するちゃんとした製品を売ってる(ソーラーパネルにデータシートが存在してることにショックを受けた)。経営者はメディア露出もしているシリアルアントレプレナー。先に見つけてたら普通にこっちで全部買った。

このパネル、デカくて安くていいんだけど、Voc(開放電圧)が50.1Vと絶妙に50Vを超えてしまってるのが大きな欠点。なぜこれが欠点になるかというと、インバータの接続可能パネルの制限はだいたい50V刻みなので、250Vまでのインバータなら5枚接続…できそうだけどできなくて4枚、500Vなら10枚接続…も、できそうでできなくて9枚、ということになるから。

実際には接続箱等でダイオードが入ることでギリギリ制限以下に落とすことができるが、中国製のインバータ(というか電子機器全般)を使う場合、定格仕様は「ここまでは確実に耐える」ではなく「ここまで耐えたら嬉しい」くらいの目安と考え、無理をしない方がいい。

このパネルを買ったのは、ソーラーオフの沖縄送料が「1個5500円均一・個数値引きなし」だから。大きさ重さに関係なく5500円取られるのだ。

パネル1枚あたり一律5500円高くなるので、たとえば450Wで24750円のパネル(買ったやつ)と、その半分で225Wで1万円しかしないパネルがあったとしても、1万円パネルは15500円になってしまうので450Wあたりの価格は31000円。買ったパネルの30250円の方が安くなる。

そんなわけで、合計ワット数が同じなら、なるべくワット数の大きいパネルを少数買ったほうがお得。そして500Wを超えるパネルは最低購入数が20枚とか、どうかすると50枚に設定されているため、10枚から買えるこのパネルにした。

ちなみに、いまなら最近発売されたリープトンエナジーLP182*182-M-60-MH-460Wというのがあるので、こちらを選ぶだろう。27500円と3000円弱高いが、Vocが41.80Vと非常に使い勝手がよく、しかも1枚単位で買える。

インバータ

SRNE HF4850U-80H

8万円くらい + 消費税8000円くらいの合計9万。

ハイブリッドインバータは日本でもよく使われてるこの機種。5kW出力、ソーラーパネルもVoc 500Vまで接続できる大容量対応で、バッテリーは48Vを使用する。

Aliexpressで買ったらAmazonより2万くらい安かったけど、税関で消費税を取られた。円安で値上がりしており、消費税を取られるならAmazonと同じくらいになる。Amazonがオススメ。

GMI-300

5台で3万円くらい。後で1万戻ってきた

グリッドタイマイクロインバータ。オススメしません。

Aliで買うと1台50ドル以下でお安いのだけど、とにかく壊れるし不安定。5台買ったけど、いまちゃんと動いてるのは2台だけ。1台はときどき止まるのをソフトウェア的に解決してる。壊れた2台のうち1台はよくある感じに? マザーボード死亡。FET等の交換では直らず。もう1台は防水のはずが浸水して死亡。

WVC-1600

2万円くらい

https://www.aliexpress.com/item/1005004312592200.htmlwww.aliexpress.com

1.6kW対応のグリッドタイマイクロインバータ。GMI-300を置き換える予定。

買ってから検索したら、わざわざドメインを取って注意喚起してる人がいるほど評判の悪いメーカーだった。モノはGMI-300のような見るからに安物というわけでもなく(筐体も基板も非常にしっかりしてる)、注意喚起サイトの情報のやり取りを見ていると、十分な冷却をして定格の半分くらいで使えば大丈夫そう。ただしヒートシンクを作る計画が進んでおらず放置中。

バッテリー

Wullils 24V 100A

2個で13万2千円くらい

https://www.aliexpress.com/item/1005004634816824.htmlwww.aliexpress.com

たいへんお安いLeFePO4バッテリー。

フグリッド用の蓄電には充電1回あたりの費用が最安のLiFePO4バッテリーが最適で、ここ数年はかなり安くなっている。国内でめちゃめちゃ評判のいいLi Time(Ampare Timeのブランド名変更)の12V100Ah24V100Ahを見ても5kWhあたり10万前後で買える。

しかしそこで下値を探りに行ってしまうのがオレの浅はかなところ。それで見つけたのが、Aliでよく宣伝してるWullilsだった。

自分が買ったときは24V100Ahのものが456ドル。買ってからメッセージで「沖縄は島なので送料が必要」といってきたので交渉し、24V100Ahを2個と送料50ドルで950ドルにしてもらった。13万ちょっとなのでLi Timeの2/3。やった!!

ところが、である。届いたバッテリーを接続してフル充電し、さらにフル放電して容量試験したところ、容量は100Ahより多いくらいだったのだが、どうしたことか、もう充電ができない。

サポートとのやり取りは遅々として進まず、「開けて調べてみてくれ」と言われたので、ごっついケースを開けて(スクレーパーの刃が折れた。スクレーパーって折れるんだな、と思った)、「BMSありと無しの電圧」なんかも調べて写真を送ったりしたが、「正常だ、普通なら使えるはず」と言われるのみ。

しかも、開けて初めてわかったのだが、このバッテリーには一般的な青い四角のセルではなく、電気自動車用によく使われている薄いシート状のセル(prismatic cell プリズムセルというらしい)が入っていた。LiFePO4バッテリー製品を購入してレビューして筐体を開けてみるまでする動画というのもアメリカのYouTuberがいろいろ出しており、よく視聴するが、こんなのは初めて見た。

プリズムセルだから悪いということもないのだが、一般的に使われないのは理由があるだろう。おそらく自動車用のB品を安く仕入れ、大量の宣伝でガンガン売る業者だった、ということではないか。Aliexpressは業者の独創性を楽しむところである、とポジティブに捉えれば最高の体験だが、まともに使えないバッテリーを売りつけられたのは悔しいところだ。

サポート任せにせずに自分でよくよく調べてみたところ、BMSの入出力が逆に接続されているという製造不良である。正常に接続しても動作しなかったので(充電はできるが放電はできない)、単体で販売されている他のBMSを注文した。現在直結により動作してるので、電池屋には一部返金を迫りたいところである。

そんなわけで、この業者のバッテリーは大容量で安いではあるものの決してオススメしない。Aliにはさらに安くてそこそこ評判のいい店も存在するが、この店も納期がサイトに書いてあるのと違って極端に遅かった。販売ページには2週間後の日付が書いてあるのに、購入後の自動メッセージが「船便だから2〜3ヶ月かかる。待てるか? 待てないならキャンセルしろ」である。ページの納期は最初からウソだ。完全に開き直っていて、いっそ清々しい。

結論としては、高いものを買うなら日本人が満足する品質レベルを確保してるか、返品が無条件にできるところがよい。LiFePO4バッテリーに関しては、国内に倉庫があって納期が爆速でサポートが良いと「日本人に」評判のLi Timeがすごく良いと思う。いまはセールで24Vバッテリーの84149円なので2個で16万8300円。Wullilsとの差額は半分か…はー、こっちを買うべきだった…。

接続箱

ソーラーフロンティア KTN-CBD

2万円弱。

接続箱はソーラーパネルのケーブルをインバータ(日本風に言えばパワコン)に接続する前の段階でまとめるための分電盤的なものだ。ストリング(ソーラーパネルの直列になった1系統)ごとにオン・オフするためのブレーカーや、逆流防止ダイオードが付いている。

ウチはハイブリッドインバータ(オフグリッドインバータ)に接続するストリングが1系統だけで、小さいパネルはグリッドタイインバータで直接ACに流している。接続箱は特に必要ない構成といえばそうなのだが、大きなパネル多数に高価なインバータがぶら下がった機器である。雷が怖い。ソーラー向けの避雷器の適当な製品が経験が浅くて判別できなかったため、避雷器の付いた接続箱を購入した。商品はこれの4回路バージョン。

www.solar-off.com

4回路も要らないけど。

価格は本体13200円+送料5500円(沖縄送料1個5500円均一!)の18700円。ほぼ2万。

まとめ

はやいとこ本配線をしなさい…じゃなくて。

ソーラー&バッテリーの価格低下は著しく、その成果は個人でも買える。土地のある人、屋上のある人は試すといいと思うよ!

寺のように朝の掃除をして暮らしてる今日このごろですが

今日は長時間お片付けのチャンネルを見てしまった。


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自分では「子供の頃からエースで4番」級の汚部屋製造野郎だと思ってたけど、こういうのに出てくる全日本級の人たちに比べると、ぜんぜん大したことない。もっと精進せねば…じゃなくて。

思ったのは、捨てるのが面倒で積み上がってるだけの廃棄物も、自分だけが思い入れを持っている古いものも、客観的に見ればそこそこ価値があるだろうものでさえ、他人から見れば等しくゴミなんだなあ…ということである。

記憶にはポータビリティがない。脳は直接接続できず、記憶を伝える手段は言葉や絵や写真といった限定的な媒体しかなく、そのバンド幅は極めて狭い。モノにまつわる記憶は現状維持すらできず単調減少するのみで、言ってみれば死んだ人に関する記憶の総量とまったく同じだ。

小学生のときに乗った船で作ったメダルのキーホルダーを見て、船酔いで食事できず何度も買ってもらったピノの味や、大浴場のお湯の傾き、ディスコで流れてた曲、そうした背景から浮び上がる父との精神的交流…といったものを想起できる人間は自分以外にいない。そんなキーホルダーが入ってる平たい缶のガラクタ箱を見れば、他人は「なんかジャラジャラしたゴミ」と思うだろう。

数千冊の蔵書の一冊一冊にオレが抱いているちょっとした思いを注釈として残すことすら不可能で、我が家の図書室は「なんかいろんなジャンルが混ざってて参考にならなそうな本棚が並んだ部屋」でしかない。

もちろん、他人にとっての価値とかどうでもよいし、自分に大事なものを自分だけで愛でていればよく、自分が死んだあとは何がどうなろうと自分には関わりのねえことでやんす。というのはその通りだ。でも、こうした大量の思いが生まれ、また消えていっているという事実を思うと、なかなかに強烈な無常を覚える。

人間は無から出て無に帰る。後には何も残らない。

エネルギーシフトでもやっぱりあらわになる日本の課題

この記事たいへん面白かった。CATLは巨大電池メーカーというだけでなく、いまや次世代バッテリー技術開発でも先端を行ってる企業で、特許数が日米の企業よりずっと多い。こんな背景があったとは。

wisdom.nec.com

ソーラーパネルにしてもバッテリーにしても、米中は政治を盾に、札束を矛にして全力で殴り合ってる。もともと世界一だった日本勢には政治も札束も無く、輸出のできなかったソーラーはほぼすべてのメーカーが撤退し、バッテリーも国内生産がまったく伸びておらず、風前の灯だ。企業の経営能力を見ても、叩き上げ初代の中国に、叩き上げ+プロ経営者の米国という布陣に対し、サラリーマン経営者の日本。ショボい札束と何もしない政治を背景に、ダメな経営によって全力すら出せない。勝てたら奇跡だと思う。

一番の問題は、こういう構造的にダメなものを「以前から決まってることだから変えられない」と考えてしまう社会的メンタリティというか、もっと言うと「バカ殿に何も言えない日本文化」にあると思うのよね。

状況を定めたのは、国家レベルで言えば、次の時代にエネルギーシフトが非常に重要になること、大変な量が必要になるんだから量産で安くすることで誰もが富むということを戦略的に考え、すばやく意思決定できたかどうか。さらにはどんな人が勝っていくべきかという考え方だろう。企業レベルで言えば、投資すべきところに投資する能力だ。

企業にできたことは多くはない。社会に適応して自然に振る舞っただけだ。だからこれらは国の戦略、あるいは哲学によって生まれている。日本は前例踏襲と既得権益保護が強すぎる政治構造を変えられないまま30年が過ぎた。ウンコなエスタブリッシュメントをちゃんと下剋上で殺さないから社会全体が死ぬ。

日本は天災や戦争の多い国なので、日本人はスクラップ&ビルドのビルドの部分だけ得意な感じがある。江戸時代から庶民に至るまで職人気質が定着して、なにかというと一人でこもって黙々と作る人たちである。こつこつ作るのはメチャメチャに得意であるといえる。

そして天災の多い地域であるがゆえに、ウンコなエスタブリッシュメントも、かつては勝手に消えてくれた。天災で退場することもあれば、負けてまとめて退場することもあった。江戸時代には大火がしばしば起きたので生産力だけが問題だったし、明治維新や昭和20年の敗戦という巨大スクラップもあった。現在の大企業が成長した昭和の時代までは、こうした「自然な」スクラッププロセスが働いていたのである。

でも、時代が進むと社会の安定性は勝手に上がっていく。するとスクラップの「量」が圧倒的に不足する。社会から退場すべきものが退場せず、新しいものへの投資を阻害するわけだ。われわれはこの状況にいまだに適応できていない。

もうひとつ、「スクラップ慣れ」していないがために、おかしなスクラップ方法を選択するという問題がある。

たとえば維新みたいな「全体をまんべんなく壊しつつ自分の取り分だけ確保」という方法は、新しいエスタブリッシュメントを生んでるだけだ。こんなスクラップ方法しか出てこない・選んでしまうのは、みんながスクラップ慣れしていないためである。これからの日本人はスクラップも得意になんなきゃダメで、スクラップ教育で解像度を上げていく必要があるのだろう(ゴールデンパラシュートを嫌がりすぎとか、逆にエスタブリッシュメント同士の連携を許してるとか、ねちねち責任を追求したがるとかも全部これだと思う)。

経営能力に関しては、日本だけが問題というわけではない。第二次大戦後からレーガノミックスの頃まではアメリカでも大企業の出世の階段を登ることが社会的地位の向上だった。70年代に日本にメタメタにやられ、いまのスタートアップとプロ経営者という組み合わせになった。中国も国営企業の生産性の低さはずっと問題で、21世紀になって改善はしたものの揺り戻しもしばしばあり、民営企業の成長の成果を国営企業が食べてしまう構造が続いている。しかし民営企業については創業者が非常にうまく舵取りをすることが多いし、それを育成するシステムづくり(政治)もうまく行っているということだ。

「日本の課題」はだんだん明らかになっている。これらは日本の問題であり、外圧ではどうにもならない文化構造問題だ。みずから解決していく必要がある。

さて、ソーラー、バッテリーと来たら、次は自動車である。自動車産業まで危なくなったら、日本人ってどんな生活になるんだろうね。

巨大なAI実験の停止を求める公開書簡だって

読んだ。

japan.cnet.com

公開書簡本体:

futureoflife.org

"この数カ月間でAI研究施設は、さらに強力なデジタル知性を開発して展開することを目指した制御不能な競争にがんじがらめになっているが、開発者を含めて誰もそれを理解、予測したり、確実に制御したりできない"

いいことだ、と思ってしまうオレ様w  オレはカオスを愛すよ。

…といういつものオレ節はさておき、なんでこの人たちが停止を訴えてるのか、いまいち意味がわからない。秩序を願うにしても、「すでに道筋が付いた非常に重要な物事の発達」を人為的に止める方法はないし、止めて良いことはない。

これはなぜかといえば、ひとたび方法が判り、利益を生むものであれば、止めない主体は必ず現れるから。

生産性向上等の大きな利益を生むことは明らかなんだから、禁止したところで悪意ある者は止まらない。善意あるものだけが止まって「善悪格差」が生まれるだけだ。それよりは、目まぐるしく変わっていく状況に必死でついていく人数が多い方が、マトモな解決が生まれる可能性が高いと思う。

これまでに開発された技術の中で、AGIに近い重要度があるものというと、核爆弾とかかな? と思う。でも、たとえば核爆弾同様にAIを国家管理にして、流出防止条約とかやることのバカバカしさは明らかだと思う。なぜなら核爆弾のように理論的な枠組みの簡単さと実際の製造の難しさが非常にかけ離れてるものとは異なり、生成AIの実現技術って「すでに流出してるもの」だから。

  • いまのレベルの生成AIでも現代社会を変えるに十分な力があり
  • 次にやるべきことの方向性は論文等で公開されており
  • 必要リソースは巨大だが国家レベルの集団には小さい

でしょ。

書簡はGPT-4を超えるレベルのAIの実験の停止を求めているが、これも実際どうかなと思う。学習データの規模をひたすらデカくする方向性は落ち着きつつある。逆にGPT-4レベルの推論をコンパクトに実現しようとしてる人たちが大勢いる。「規模においてGPT-4を超えてない」と主張可能で、かつ高い能力を持つものはどうする? 判断が微妙なものの開発をわざわざ止めて、止めなかった者に負けたい開発者はいるの?

北朝鮮ですら「使う」ことはできるし、中国は独自にやっていく。アメリカは止めるの??

そしてAIのさらなる発達により…あんまり困ることって無いんじゃないかな。生産性の向上は明らかに起きる。能力格差は拡大するから、富の集中とかは進みやすくなる。つまりベーシックインカム待ったなし。「それでも人生は進んでいく」のだから、人類のレベルも前進せざるをえないと思うんだよね。

公開書簡には日本でも知られてる有名人としてイーロン・マスク、スティーブ・ウォズニアク、ユバル・ノア・ハラリが名を連ねている。こうしためちゃめちゃ頭のいい人たちが、こういうとこで人間的なバイアスに足を取られているのを見ると不思議に思ってしまう。これって『災害ユートピア』で扱われた「エリートパニック」の典型にしか見えないのだ。

こんな不毛な書簡を出してないで、「すでにコントロールはできず、しかし人類はどうにかうまいことやる」と宣言しちゃう方がいいと思う。積極的楽観でアイディアを募るわけだ。

もうちょっと「総体としての善意」を信じるべきだと思うんだよね。なんとかなるよ。

なんとかならなかったとしても、人類を超える新しい知性が生まれるだけだ。

いいじゃんそれ。

お別れの挨拶…?

今日は急に寒くなったし、疲れが出た感じで昼間は布団でゴロゴロしてた。なんもしたくない。夕方になってきしめんと5キロくらい散歩したけど、頭も腹も重い。明日という日がないじゃなし♪ と思うことにした。

ここ1、2週間の気分の動きを見ていると、今年はもう燃え尽きたみたい。記録残すぜって書きまくってたブログは2週間くらい迷走した挙げ句に止まってるし、コードは書けておらず、発電量の可視化…の前のトラブル対策もぜんぜんできてない。

昔から春夏秋とダメで、11月の誕生日くらいからちょっとずつ活発になるものの、年明け2月3月くらいまでしかちゃんと動けないというか、3月にはもうだいぶ落ちてて、なんとか春休みに倒れ込む感じ。4月は新しい出会いとかあって一瞬気合が入ることもあるけど、5月ともなると完全にアウト。再起不能な気分で最低限の生活と衝動的な活動だけこなし、あとはゴロゴロしてる。これではまとまった仕事はできない。

高専時代に、出席が足りなくなりそうになる頃にどうにか本気出すクセが付いたような気がするけど、もともとそういう季節性があったのがその頃に表に出たような感触もないではない。要するに、オレにはこういう人生しかない。

今年もやりかかりの仕事が大量に残ってて困る。特に投資性の出費をした太陽電池の設置が終わってないのがなあ…。ちょっとずつでも進めないといかん。台風までに固定だけはしないと…。

とりあえず放棄すること:

  • コード書きを含んだAIキャッチアップ
  • 家の片付け
  • 本棚作り
  • 家の電気工事

這い回る感じでいいから、どうにか続けること:

あとなんだろ。もはや思い出すのも億劫になっている。

しばらくブログも休むはず…いや、こういうこと書くと逆にちらっと顔を出す? とか書いたから書かない? よーわからん。

まーいーや。それでは皆様おやすみなさい〜。

春眠!春眠!!

(昨日やったピザ会のピザ)