太陽光関連、ちゃんと安くなってますよ〜。

前の記事に関連して、ソーラー+バッテリーがいかに安くなってるかという話です。

kamosawa.hatenablog.com

パネル価格

ソーラーオフは日本では非常に珍しい(唯一?)、ソーラーパネルをバルクで輸入して国際価格に近い値段で売るショップです。すごく安いし、国際価格の低下にちゃんと連動して安くなっていくので信用できます。(沖縄は送料が高いけど!!)

たとえばオレが昨年2月に買ったこのパネル。

www.solar-off.com

450Wの出力で価格は24700円。沖縄送料1枚あたり5500円もするけど、送料込み3万200円になっても30200/450=67.1円/Wと、Amazonで安いと思われてる100Wで1万のパネル(100円/W)と比べても激安です。ちなみに本州四国九州は送料1100円なんで、内地なら25800円の57.3円/W。

ところが最近の価格はこんなものじゃありません。2/1からセールをやってるんですが、安すぎてブッ飛んだのがこれ。

www.solar-off.com

なんと、425Wで15400円。沖縄送料5500円を加えても20900円、内地だったら16500円です。それぞれ49.2円/Wと38.8円/W。年間で3割以上安くなってる。

年間発電量はだいたいスペックx1000時間で計算するので、425Wのパネルなら425kWhほど発電してくれる。昨今の電気料金の40円/kWhを掛け算すると1万7千円。ほとんど1年で元が取れてしまうということになります。そしたら来年また3割安くなったとしても、逸失利益が7割出る。待ってるのは損です。

ところで大型パネルは開放電圧を50Vくらいまで上げたやつと、40Vくらいに抑えて電流を多めにしたやつがあります。選び方は基本的には「安く上げたきゃ電圧上げろ」で電線を細くしたいなら高電圧がいいんですが、パワコンの入力上限がキツいときはパネルの電圧を下げる感じです。50Vで12枚を超えると600Vを超えてケーブルも大変だし電工2種(第二種電気工事士)の制限にかかるんで、40Vで電流を増やすのもアリ。

上記のブルーサンソーラーのパネルは40Vくらいに抑えたタイプで、たくさん使うなら便利ですが、数が少ないと電流が多くなる不利だけが残ってしまう。 お店のラインナップには少し大きくて少し高いやつも色々出てたので、ChatGPTに手伝ってもらってスクレイピングのコードを書いて調べたところ、各パネルのワット単価はこんな感じでした。

内地送料で計算 docs.google.com

沖縄送料で計算 docs.google.com

ブルーサン425Wが最安なのは動かなかったけど数%の差でいろいろな選択肢があり、価格差10%以内には10種類以上が入ってます。内地なら出力200W台のパネルもここに入るので、電工持ってない人でも気軽にいけますね。(そういう人へのオススメはLooopの270Wあたりかな。変換効率20%オーバーでコンパクト。開放電圧24.75Vなら36V以下の「軽微な工事」で資格・免許不要。価格も1万。気軽に買えます。)

各パネルの開放電圧等のスペックは、ソーラーオフの一覧から個別のページに飛んでください。データシートもあります(ここらがAmazonやAliのショップとぜんぜん違うとこ!)。 単結晶パネルのページにしかリンク張りませんが、これは高性能で高いと言われてた単結晶の方が生産技術が進んで多結晶より安くなってるせいです。多結晶パネルを見る意味はありません。

www.solar-off.com

バッテリー価格

んで、買ったパネルをどこに接続するかという問題。ここにも価格破壊の波が来てます。写真は信頼性の高いポタ電が人気のEcoFlow社公式の整備済み中古の販売ページなんですが(ヤフオク)。

Yahoo!オークション - maanu79419さんの出品リスト

なんとリン酸鉄1kWhのEchoFlow2が税込み5万3千円です。

page.auctions.yahoo.co.jp

これはすごいです。完璧なソリューションになる。

たとえば、こいつに270Wのソーラーパネルを1枚と冷蔵庫のコンセントを接続してみましょう。これだけで冷蔵庫が無料の電気で常にバックアップされた状態になります。災害時も安心!

冷蔵庫って1日の消費電力が大きさにあまり関係なく冬季1kWhくらいの夏季2kWくらいです。夏季にはもうちょっと余裕がほしいけど、このくらいの容量でだいたい持ちます。1日平均1.5kWhとして60円、365日で2万2千円とか。Looopのパネル11495円(内地送料)にDelta2 1kWh 52900円で6.5万くらい。固定とケーブルにかかる資金まで全部合わせても8万は行かないと思うんで、4年あれば元が取れる。年利25%の投資です。

もっといろいろ増やしていくプランも考えつくけど、このくらい小回りの利く構成にしとくと将来もじゃまになることがないんで(災害時に電気を「汲んでくる」とか「分けて上げる」とかにも使える)、最初の一歩としてはすごく良いと思います。

ちなみに電池単体なら1.28kWh(12.8V / 100Ah)で3万とかのやつがあるけど、EcoFlowシリーズは入出力がいろいろ充実してるオールインワン。ソーラー充電も可能で何より信頼性が高い。生電池の倍の値段でも激安だと思いますね〜。

余談ですが、電池については中国の自動車メーカーの今年の調達目標価格が6円/Whらしいという記事も読みました。

36kr.jp

もちろんこの記事は世界で一番バッテリー生産技術が進んでる中国で車載向けに大量販売されるバッテリーであり、電池メーカーが赤字になるから無理!と悲鳴を上げてる、自動車メーカー側の調達目標価格。なので直接の参考にはならないんですが、世界は確実にこの方向に進んでいきます。

テスラのパワーウォールが13.5kWh100万(工事費別)で安い安いと言われてるけど、13500 x 6= 81000ですよ。電池はタダになっていく(EcoFlow2を13台並べても65万です)。この記事は原価計算で炭酸リチウム価格を制約条件としてあげてるけど、それもナトリウム電池が一般化するまででしょう。

諸行無常! とりあえず飛べ! というのが結論ですねw

都市部以外の電力インフラは最初からソーラー+バッテリーにすれば激安で強靭だよ

能登の震災では田舎の災害における政府の頼りにならなさが強烈に印象付けられた。ヘリさえなかなか飛ばしてくれず、災害後72時間で助けられた人たちを見殺しにした。インフラも復旧したくないから住むのをやめなさいという。

しかし能登の震災でもうひとつ印象付けられたことがある。人間は住む場所を変えたくないということだ。これは特に年寄りに言えるんだけど、被災して生活の場が破壊されても住み替えたいという人はほとんどいない。

東北の震災のとき、オレは早手回しに「これは撤退していくしかないな」と思ったものだけど、実際には破壊された町や村は復旧され、巨大な堤防を築いてまで人は元の場所に戻っていった。なんたる浪費と思いつつ、行って自分の目で見てみれば、それが幸福を求める必要な行為であることがよくわかる。納得せざるを得ない。それが能登でも確認されつつある。

おそらくこれは生物としてのヒトの性質であり、慣れ親しんだ場所で死ぬまで暮らすのが「普通」なんだと思う。実際年を取ってから住み替えると統計的には死亡リスクが上がる。

とはいうものの、従来のインフラというのは結構高価だ。水道や電気や道路には大きな設備投資が必要。今後の人口密度では新規敷設(復旧)は元が取れる見込みがなく、元が取れないということはスケールさせられない。スタンダードにできない。日本は災害の多い国であり、7割の地域は僻地か今後僻地になる。災害の7割が人口の5%の地域で起きるとして、そこに人口の95%がある3割の地域と同じように再投資できるだろうか。田舎で起きる災害に対する標準対応は変わらざるを得ない(数字はざっくりです)。

ここでオレの十年前と同じ「撤退しよう」という意見がいまの(災害を受けてない)多数派の考えで、自民党に限らずリベラルな人でもだいたいそんな話をするようになっている。

でもね、生物としてのヒト、を無視して幸福は得られない。人間には新しい脳と古い脳が、すなわち論理と感情があり、感情に反することを論理で決めてむりやり実行し続けると不幸になる。家族の方針を子供に決めさせることはできないが、子供の意見を無視すれば不幸になるのと同じ。

オレは現代技術を使えば折衷案が出せると思う。つまり、激安にするということだ。巨大な予算を動かすには広い同意が必要だけど、個人レベルで得することなら勝手に進んでいく。政府に必要なのは邪魔をしないことだけ。

  • ポケットマネーで可能なインフラ整備を
  • ペイする形でおこなう

ということである。

いままでの形のインフラの「復旧」はしない。維持も諦める。要するにそちらには投資しない。でも新しくて安価なインフラ整備の方法として、ソーラーパネルやバッテリーを買う補助金を出す(補助金なしでもペイするけど、政府がメッセージを出すべき)。井戸も推奨する(海岸の近くでは海水淡水化もいいかもしれない。パネルを有り余るほど敷けば海水淡水化の隘路であるエネルギーは問題がなくなる)。

個人の力、という現代最高のパワーを使ってもらうわけだ。

エネルギーと水の問題がおおむね解決すれば、あとは「安い土木技術」だと思う。能登の隆起海岸の漁港の復旧とか、ふつうにやったらお金がいくらあっても足りなそう。これをどうにかする方法はいまんとこ思いつかないんだけど、人力よりは楽で安価な方法がどうにかならないかと思う。ここでもエネルギーを無駄遣いして安くする方法なら取れるかな。

災害の有無に関わらず、田舎の人であれば安価なオフグリッド態勢を整えておくべきだと思う。

現状で電気が来てるなら少量の導入でいい。セミフグリッドだ。ソーラーパネル1kWに1kWhのポタ電が1個あれば、生活はかなり安定する。水道の寸断があったとしても、このくらいのやつは出力も大きいから井戸のポンプが安心して動かせる。各世帯で備えておけば地域としては非常に強靭になる。

しかもこれは常用することで電気代が大幅に削減されるので数年程度で元が取れる。元が取れるということはスケールするということで、つまり各世帯で標準的に備えるのが田舎のスタンダードになる潜在力がある。

人口減少による「撤退戦」は各地で展開されるだろうけど、コンパクトシティばかりじゃ不幸が増える。僻地に楽しく住んでいられる人間はいくらでもいるので、「健康で文化的な最低限度の生活」としてエネルギーと水を安く供給し続けることを諦めないのは悪くない方法ではないか。

あと心配なのは医療かな。遠隔診療の発達とドローンによる処方薬の配布、緊急時のマルチコプター救急車があれば、かなり対応できる気がする。そしてこれらは都市でも使えるだろう。

沖縄エッグタルト情報まとめ

Facebookフレンドが突然食べたいと書き込んだところ、情報が続々と寄せられたのでまとめました。

手作り単品系とチェーン店系で、それぞれ書き込みの順で書いてます。

住所はGoogle Mapsリンクになってます。営業日・営業時間、わかれば価格も追加。

エッグタルト!

単品

香港デリ

テイクアウト専門店。

www.hkdeli.jp

TAROTOMARU BAKERS

パン屋さんらしいです。近所なのに行ったことない!

クッキング香港

香港の方がやってるレストランでエッグタルトは要前日予約とのこと。

www.google.com

チェーン店

安い旨い珍しい、ということで、10年くらい前は香港土産の定番にしてました。食いたい。

小さいのをいくつも食べたいので、とりあえずカルディかしら。

絶対に失敗したいあなたに

群盲象を撫でる

さいきん目につく「絶対に失敗したくないあなたに」って題す記事、あらゆる分野にあるんだけれど、今日急に気づいた。自分あれ、吐き気がするほど嫌いみたい。オレは失敗したいのよ!wwww

なぜ失敗をしたいのか。知りたいからである。

何かを知りたいときは、まず全体を把握する必要がある。ところがホントの形って、限界を見きわめないとわからない。そこらに落ちてる説明じゃ、実感的には知り得ない。どんな姿をしてるか知るには自分で端っこを見る必要がある。あっちの限界とこっちの限界、そっちの穴にも落っこちて、なだらかな失敗のスロープを滑り落ちてみる必要がある。それでようやく全体の形が見えてくる。これは境界条件てやつ。

真ん中だけを通る人には何も起きない。何の地平も広げてない。生きてる意味がないつうか、生きる意志すらないように見える。コスパコスパと言う人と同じ、最適解は死ぬことだ。どうぞどうぞ!と思ってしまう。もっと愚かに行こうじゃないか。

もうひとつ、失敗プロセスは自分でやる必要がある。自分で限界を超えて落ちないと、限界を体が理解しない。他人が言ってる「限界なるもの」をそのまま信じ、重ねて行っても本当のことは判らない。

あらゆる教科書には演習問題が付いてくる。自分で失敗するためだ。問題と答えが最初からセットなのは「練習1」。理解は蹴っつまずいた先にある。

フォルクスポタ電

バッテリーとインバータと充電器をバラで買ってきて組む「なんちゃってポータブル電源」を作ることを考えよう。それも日本人が普通に買える値段で、不良品はちゃんと交換してもらえる「常識的な日本語サポート」の付いた「国民自動車フォルクスワーゲン」ならぬ「国民蓄電池ナショナル乾電池」だ。

なぜそんな話をするか。台風6号で蓄電システムやポータブル電源に注目が集まってるのに、十分な性能のものが廉価に売られてないからだ。

www.okinawatimes.co.jp

沖縄最大のホームセンターチェーン、メイクマンの全店で、ポータブル電源の全在庫が売り切れたらしい。

 ホームセンターを展開するメイクマンの浦添本店では、持ち運びが可能な大容量のポータブル電源が2日間で5個全て売れた。ポータブル電源は手のひらサイズのモバイルバッテリーより大きく、重さは数キロ程度が多い。冷蔵庫が約20時間稼働できる14万円台や、スマートフォンが30回フル充電できる数万円台など、4種類を販売していた。

 従来は年1~2台売れる程度だが、本島地方で暴風警報が解除された3日から売れ始め、4日にはメイクマン全店舗で在庫切れに。担当者は「台風の影響が長引く中、これまでにない売れ行きになった」と驚く。

このポータブル電源は冷蔵庫が20時間というから1.5kWh程度だろうか。地方ホームセンターとしては頑張ってるお値段だ。しかしいかんせん容量が小さい。

災害時には冷蔵庫だけでも数日は持たせたいという需要が強烈にある。明かりより冷蔵庫のほうが代替が効かないし、マトモなメシさえあれば他が多少落ちても頑張れる。命にかかわる冷蔵薬を抱えてる方も少なくない。

今回の台風で言えば、20時間では那覇の一部しかカバーできない。沖電の停電地図を定期的にモニターしていたところ、停電率33%を超える状態が24時間以上続いた。おそらく2割前後という多くの世帯が48時間以上の停電を経験したし、うるま市の一部は1日の夕方から7日の朝まで1週間近く停電のままだった。

冷蔵庫はだいたい1日に2kWhくらい食うので、市販のポタ電だと最強クラスの2kWhや3kWhでも役者不足。5kWhくらいは欲しい。

市販品は価格も高い。ポタ電の相場は格安品でも1kWhあたり10万円程度で、これは実はニチコン等が販売する家庭用蓄電池システムよりずっと安くなっているという驚きはあるのだが(参考: Yahooショッピング)、オールインワンできちんと製品にまとめてあること自体がコスト高を呼ぶ。

半額でできるやろ、と思うんだよね。

いまのオレなら投資回収も考えて、3.2VセルとBMSをバラで買ってきて効率最大の48Vシステムを組む。中華一流メーカーのセルは価格容量比の一番良い製品が300Ah付近に移っているので容量は15kWh。インバータもソーラーパネルをサポートしたハイブリッドインバータしか無いぜーとか思う。これなら容量単価は半額どころではない。ただしいろんなハードルがあるし、この用途にはオーバーキル。なので、

  • 電気工事士資格不要
  • サポートは日本語でマトモなのが必要

という条件で、どれだけ安価なものが作れるかを考えよう。

まずバッテリーは信頼の(中国製)Li Timeを使いたい。国民ポタ電と言いつついきなり中国製だが、価格的には絶対に中国製。ただし最安は狙わない。 ここを使うのはネットを見る限りサポートの評判が最高だからで、安価なバッテリーをAliexpressで買うときの罠に次々全部ハマったオレとしては、中身の見えないパッケージ品のバッテリーは少しでも信用できる業者から買うべきだと考える。Li Timeは日本支社のある世界企業であり、中華価格のバッテリーを売ってる業者としては最高グレード。

インバータも信頼の(中国製)リョクエン。ここはLi Timeのように絶大な評価があるわけではないが、相模原に定着して非常に頑張ってるし、Amazonでの展開が手広くて妥当なものを売ってる印象がある。まあバッテリーとは違い、超高信頼を狙うなら日本製を使う余地がある部分。普通の信頼性なら中国製の激安にちゃんとしたサポートが付いたやつが良いと考える。

システム電圧は24Vにする。12Vシステムより効率が高く、ケーブルが細く済むため。それなら48Vシステムにしたいところだが、30Vを超えると電気工事士資格が必要になる。なので24Vである。

そしてバッテリー電圧そのものも12Vの2直列ではなく24Vの製品を選び、容量も1個で200Aのデカいやつにする。これは1台のBMSで全部のセルを管理してほしいから。ポピュラーな12V 100Ahのバッテリーを4個買い、2並2直で組んだほうが一見安い。でもこれ、セルの電圧管理がバラバラになるのが最悪なんだよね。数ヶ月に一度は超面倒なリバランスが必要になると思う。まとめてあるほうが絶対にランニングコストが安い。

インバータはなんでもいい。必要な容量に合わせて選ぶ。注意点は、冷蔵庫やエアコンといったモーターが入ってる機器(誘導負荷)を使う場合に機器本体か取説に書いてある「電動機定格消費電力」の10倍以上の容量を確保することくらい。ここでは大型冷蔵庫が十分動かせるものを選んでおく。

買い物リスト

というわけで、オレの現状のオススメはこうである:

届いたら組み立てる前に置き場所を考えたほうがいいかもしれない。24V 200Ahのバッテリーは重さが40kg近くあるからだ。

作り方は超簡単。

  1. インバータの付属ケーブルをバッテリーの端子にネジ止めする

…これでもう完成だ。ステップ2はない。バッテリー1個なので付属のケーブルだけで完結するし、電圧バランスを取る必要もない。ただ繋ぐだけ。接続したらバラけないようにガムテか何かで固定したほうがいいだろう。

たったこれだけで、5kWh容量でエアコン…は怪しくても冷蔵庫が3日持つシステムが25万以下で組める。

定格寿命は4000回以上なので、毎日使って20年くらい。定格寿命とはその回数のフル充放電後に70%の容量になる充放電回数なので、サイクルコスト(1kWhを1回充放電するコスト)は12.5円以下ということになる。*1

5kWhじゃ3日しか持たない! 1週間くらい持たせたい! というならバッテリーだけ2個か3個に増やして並列接続するとよい。Li Timeには容量400Ahとかのバッテリーがないので(24V 400Ahって重すぎて持てないと思う)、ここは並列接続になる。まあ直列と違ってBMSが別になってる問題はそうそう出ない。追加のケーブルが必要になり、さらに重くなるのが問題というところか。

これでもグローバルスタンダードよりはそこそこ高い。バラのセルを買ってくれば、15kWhのシステムが60万ではなく40万で組める。国際配送の安い内地なら30万かも。

でもこの範囲で組むことで、日本人の考える「ちゃんとしたの」がそこそこのお値段で買える。そういうものとしては、ここらがたぶん最安と思う。

見果てぬ国産品

まあ、一番いいのはドイツのフォルクスワーゲンの当初の計画のように(あれは実際には軍備に費やされてしまったが)、国が激安の国策ポタ電を企画してくれることだと思う。半分の世帯に普及させるなら、15kWh30万円どころか15万円で行けるかも。消防法を改正して30kWh30万円の方がいいかな。

数を考えれば、このくらい安くてもメーカーはうるおい、雇用が増える。系統安定は桁違いに楽になり、火力発電は不要になる。災害時の電源確保もできて、いろいろな意味で国民の安全が増進する。

アメリカのインフレ低減法が国産電池を徹底的に優遇するのは、こういう効果を狙ってのことである。ここらのことは新刊『すべてを電化せよ!』に詳しく書いてあるので読んでね!!

*1:このくらいになると、ソーラーパネルを接続して元を取ることを考えたくなるが、その場合はチャージャーを買うよりハイブリッドインバータを買うほうが便利である。

台風6号すごかった

2023年台風6号(Khanun)は強烈だった。沖縄に往復ビンタで直撃したことが印象に残るが、住民としては「戻り」はオマケのようなものだった。それより何より、最初の直撃がもたらした暴風がここ20年ほどなかったレベルのものだった。木々は枝葉を剥がされて裸になり、塀は倒れ、クルマはひっくり返り、駅の屋根は飛び、ユニオンは閉店し、停電は全戸数の4割弱にのぼった。

友人知人の家もことごとく停電した。一番ひどいのは8月1日の16時から停電した那覇の友人で、他の地域が復活しても最後まで停電。2人は単相3線のL線の一方が落ちるという怪現象に見舞われた。これは低圧部分でのトラブルなので、地域停電優先の復旧から遅れやすく、沖電の停電世帯数ページにもカウントされないという日陰者停電だ。沖電に連絡を入れないとしばらく認識されない可能性すらあるのだが、技術系の友人たちだったので、そこらは抜かりがなかった。

ウチも2日の午前2時33分から3日の午前5時頃まで26時間半ほど停電した。ただし、最初の12時間近くは停電に気が付かなかった。バッテリーバックアップがあるためだ。停電時にはオフグリッドインバータに接続された、およそ6kWhの容量が使えるバッテリーに自動的に切り替わる。停電に気付いていれば負荷を最小限にしたのだが、まったく気づかず漫然とエアコンやサーバーまで動かしっぱなしだったため、バッテリーは9時間ほどで切れた。気づかなかった時間が12時間弱、バッテリーバックアップが9時間と差があるのは、最初の停電のあと一時復旧して充電され、再度切れてから9時間ということである。

8月2日は停電で暗いため夕飯も就寝も早く、翌朝は午前4時半には目が覚めた。静寂と暗闇を楽しみながらゴロゴロしていたところ、インバータ起動時にファンが全開で回る音がして給電の復活を知った。時計を見ると5時4分だった。しばらくたった7時頃、もういいかな、とサーバー群を起動したところ、7:30に再びインバータがバッテリー給電に切り替わった。また停電…。今度はちゃんと長持ちさせようと思い、再度すべてのコンピュータをシャットダウンしたところ、7:50頃にまた給電が復活。ちょっと警戒したまま過ごしていたが、その後は一度も停電しなかった。

那覇の友人宅は、3日の夜になっても停電のままで48時間を超えた。すごくストレスが大きそうだったので、ウチはもう停電せんやろ、と思い切ってバッテリーとインバータを外して貸し出した。冷蔵庫は既にカラになっており、エアコンを動かしたいというので、まあ大した時間はもたないよ、と言ってエアコンに接続しておいた。翌日の昼間で使えたようである。

本日7日は一部の後片付けをやったが、これは1日ではとても片付かない。システムもいろいろと組み直しが必要である。

ブルックリン

フィラデルフィア美大を卒業した姪から電話がかかってきた。彼女は最近結婚したのだが、聞くとニューヨークに住み始めたという。どのへん?と聞くとブルックリン。マンハッタン!? と思ったけどそれはオレの勘違いで、地図を見れば隣のロングアイランド。まあほとんどマンハッタンみたいなもんですよ!

住む場所はニューヨークのクライムマップを見て一番安全なとこを選んだんだよね、しかもめちゃめちゃ安いアパートメントで、2ベッドルームの1800スクエアフィートで1800ドルだよという。フィートは30センチちょいなので、平方メートルに直すにはゼロを1個取って1割は引かない…くらいで換算できる。つまり170平米のアパートメントで25万とか。100平米あたり15万てNYCとしてはビビるほど安い!! てか東京より安いのでは?

ブルックリンといえばアシモフの育ったあたりだよなあと思いながら聞いてたら、安全なのは昔ながらのユダヤ人地区だからなんだよね、だからシナゴーグとかあるし、長ーいヒゲのおじさんとかいるよという。

えっ、それってモロにアシモフの育った地区なのでは。アシモフは2歳のときにロシアから移民したユダヤ人で、博士号を取って就職するまでブルックリンのユダヤ人地区の外れに住んでいたのだ。

ブルックリンがマンハッタンだとオレが勘違いしてたのも、アシモフがエッセイでマンハッタン育ちみたいなもんだとよく書いてたからなんだけど、『アシモフ自伝』には父がオーナー・店長・神を務めるキャンディストア(コンビニの前身みたいな独立系便利店)の店番を逃れたくて勉強しまくり、小説を書きまくる様子がよく書かれている。

調べてみると、*1 アシモフが育ったのはブルックリンの東の方で、姪のアパートは西の方だから8kmくらい離れてる。つまり子供の頃のアシモフの住んでいた地域ではない。しかしアシモフ父は収益拡大を目指して運営するキャンディストアをだんだん大きくしたために家族は数度の引っ越しをしており、アシモフが戦時中に家族やニューヨークを離れて化学者としてニュージャージーの研究施設に赴任する前に住んでいた最後のアパート/キャンディストアは、姪のアパートから3kmくらいしか離れていないのであった。すげえ!!!

アシモフの書いたものを読む限りブルックリンという地区の印象はあまり良くない。自伝を書いた70年代にはブルックリンは非常に犯罪の多い地域になっていたようで、夜中に一人で歩き回ったことを、今から見れば驚異的だが当時は安全だった、みたいな書き方をしてる。

膨大な科学エッセイの中にもブルックリンに触れているものがあるのだが、自分のクローンが居ればさらにたくさん本が書けるかといえばそんなことはない、私はスラムを脱出するために書きまくったが、クローンの一人ひとりに脱出すべきスラムを与えることができるのだろうか、みたいな書き方だ。エディ・マーフィの大好きなコメディ『星の王子ニューヨークへ行く』(1988年)でも、路上に置いた引越荷物が一瞬で消えるメチャメチャ危ない地区だったし。

そんなわけで、その後ニューヨークの下町も安全になったという話を聞いても、オレはなんだか不安のある地区のようなイメージを持っていた。

ところがどっこい。いまや一番安全な地域とは!!

訪問することになったので、アシモフの育った地域を観光したりできるかもしれません。地域と人とはなんの関係もないとは思うんだけど、同じ空気を吸えると思うだけで(同じじゃないけど)すげーワクワクする。