そうだ、電気つくろう

電気代がバカ高くなる。これまでの「燃料調整費の基準をずらすだけ」でない恒久的な値上げとなり、さらにこれは発表等には書かれてないんだけど、計算を見たら再エネ賦課金が別になっててこれも加わる。オレが住んでる沖縄では4月からの電力量単価がおおむね47円/kWhの逃げ場なし! みたいな価格体系になっちゃうので目が回りそう。

しかしこれは化石燃料をぼんぼん燃やして発電する割合が高すぎるためであり、世界的にはソーラーパネルも風力も単価が激減してて、そうした再生可能発電の費用は5セント/kWhを切ってると言われてる。実際、オーストラリアはすでに系統電力を買うより自前ソーラーのほうがずっと安くなってるとか。

しかし日本は業者によるソーラー設置費用が高止まりしたままだし、FIT制度で買取保証してもらったり、設置に補助金を使う場合、認定済みパネル(おおむねクソ高い日本製)を買う必要があり、それでもまあお得らしいんだけど、気持ち悪い。

それじゃあ気持ち悪くない方法を使うことにして、ちゃんと安くなってる中国のフレキシブルタイプのソーラーパネルを買ってきて、単管とか組んで針金で結びつけ、自分で電気工事までやった場合に、どのくらい安くなるのか気になったので(というか、実行する気満々で電工免許まで取ってるんだけど、ここにきてロクに計算したことがなかったことに気づいたので)非常におおざっぱに計算してみる。ホントにおおざっぱな、資本の将来価値と現在価値とかそういう話は全部ぶっとばしの計算です。

まずは現状かかってる光熱費。ソーラーが十分安くなってる前提だとオール電化にしたほうが総費用が安くなるはずなので、いまあるLPGや灯油ボイラーの費用も全部入れてやってみよう。

現状(月間):
 電気: 380-770kWh
 ガス: 2.8-4.7m^3
 灯油: 18-36L

4月からの料金なら:
  電気(47.2円/kWh): 18000-36400円
  ガス(基本料1700円+660円/L): 3598-4852円
  灯油(税込み112円/L): 2016-4032円
   合計: 23588-45305円

熱を電気に換算:
 ガス(28kW/m^3): 78.4-132kWh
 灯油(10.2kWh/L): 183.6-367kWh

合計(オール電化時):
 電気: 642-1269kWh

買電でまかなう(47円/kWh):
   合計: 30174-59634円

くらいになるはず。

次はソーラーの計算。設備費(資本費)が大部分でランニングコストがあまりかからない太陽光発電なんかの発電単価は、

総費用 / 総発電量

で計算する(LCOEという)。
1300kWhを賄うソーラーパネルは、1日あたり

1300/30(日)=43.3kWh/日

くらいの発電量が必要。パネル容量と1日発電量の関係は

定格ワット数 x 5 = 1日発電量

程度として計算するものらしい。1日あたり5時間分しか働いてくれないということ。だからウチの場合、43.3kWh/5=8.67kWくらいのパネルが必要。じゃあ9kWくらい設置するか。

いま100Wパネルが70ドルくらい(Ali)なので、90枚として70*90=6300ドル。ざっと82万円分。系統連系インバータとかの周辺機器と工事費で30万くらいとして112万円。まあ120万見ておこう。

これを10年で償却するとすると、年に10万。月に1万円。発電単価は、月の発電量が45*30=1350kWhなので、

10000円 / 1350kWh=7.4円/kWh

となる。これで済めば素晴らしいんだけど、発電は昼間がピークなのに使うのは朝晩がピークだ。だから、全部賄うには大量の蓄電池が必要。

テスラのパワーウォールがコスパ最高だけど200万で13.5kWhしか入らない。1日分丸々入るようにすると3つで600万かかる。10年で償却しようとすると月に5万加算されるので考えるまでもなく予算オーバー。

(ちなみにAmazonとかで適当にLiFePO4電池を買ってくるとかも考えたんだけど、おおむね50万円/kWhくらいするんでお話にならなかった。1/3の値段のパワーウォールが最強。)

パワーウォールは1台だけにして、残りをEVとか、ちょっと系統電力を買うとかにするとした場合は、10年間で40万円ほど費用が増える設定として

(200万 + 120万 + 40万)/ 120ヶ月 = 3万円 / 月

全部系統電力から買うと安い月に3万、高い月に6万の設定なので、まあ年に数万はお得かな。このときソーラー発電の単価は

30000 / 1350kWh = 22.2...円/kWh

となる。ずっとマックスの発電量を使えるわけじゃないから、有効発電量はもうちょっと減るはず。売電することで補償しようとしても安いので限定的だし、まあ25円/kWhくらい?  一応これなら原発が動いてたときの東電くらいのレベルだけど、15円/kWhの深夜電力にはまったく太刀打ちできておらず、電気使い放題! という感じではない。半額にしたいなあ。やはりネックは朝と夜の需要が太陽光の発電ピークとまったく重ならないこと。給湯や冷水(冷房用)などの形式でエネルギーを蓄積して、どうにか蓄電費用を安くする必要がある。

(投稿3時間後の訂正)

Amazonで見てたスペックは50万円/kWhじゃなく50万円/kAhでした! 電圧掛けてなかった!  売ってる電池はどれも12.8V定格なので、10万の200Ahのやつが5本で1kWhと思ってたけど、5本で12.8kWhだった。パワーウォールに近いです。つまりx3の150万円分で1日分の電気が全部入る。むしろパワーウォールの1/4の値段ともいう。

サイクル寿命はパワーウォールが5000〜7000回、Amazonで売ってるLiFePO4が4000〜8000回と書いてあるので、期待寿命はともに6000回だけど、まあ分散がデカいから平均持つのかちょっと疑問も。

というわけで38kWhで200万円と考えておくのが良さそうです。これで計算すると

(200万円 + 120万) / 120ヶ月 = 2.6666万円 / 月

これでガスと灯油を入れても下の計算に近くなりますね。というか、業者に設置して貰う必要がないし、最初からこんなに入れる必要がない気がする。まずは1本か2本入れてみて、もっとデータを取ってからやると安く付きそう。

(訂正ここまで)


・・・・

竜頭蛇尾だけど、とりあえず昼間の冷房費用を賄うとこから始めてみるかw

朝晩は系統電力を使うピークカット型であれば、

これまでで多い月(770kWh)-少ない月(380kWh)= 390kWh/月

くらいの発電量を目指せばよい。390/30=13kWh/日なので、5で割ったパネル容量は2.6kW。26枚 x $70 x 135円/$ = 245700円。設置とかは上の計算の半額かかるとして20万を足して=44.57万。10年120ヶ月で割って、月に3700円。

昼間以外に使ってる基本の電気代が月に1.5万、月に3700円の追加費用でそれ以上は使わなくなると考えると、年間の電気代は1.87万*12ヶ月で22.5万円。これは現状のまま値上げに飛び込んだ場合(33~35万円くらい)の2/3なので、やる価値が十分ありそうですな。44.57万で年に11万稼げるというのは年利25%(単利)の投資と同等でとてもお得。

というわけで、パネル代と設置費用を思い切り軽減することで、20年かけて元を取るFIT投資よりかなり得ができることがわかりました。みんなもやろう。

あ、これ、自分の労力を費用に入れてないんですけどね!!

電気工事士を取って自分で系統接続! 自分で設置工事もする前提です!!!
できるのか!???