沖縄でマトモな距離の自動運転バスの実証実験

那覇の隣の豊見城市で自動運転バスを走らせてみるらしい。

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チラシ

これ、なかなか画期的ですよ! なにせ路線図がこう。

豊見城市は東西に広くて、西にある海の側のショッピングモールであるイーアスから、北東の丘陵地の嘉数の集落(宜野湾市の嘉数とは別)までは直線距離で6キロくらいある。ここを往復しながら先でくるっと一周する循環路線で、総延長は18キロ程度とのこと。

テクテクライフで細かく回ったから知ってるけど、嘉数の丘から長嶺小学校あたりは丘陵が細かく、アップダウンが頻繁で、急な坂道も少なくない。EVはそういった場所を静かに力強く走れる。昭和後期に拓けた住宅地なので、オーナー層は多くが老人。既に免許を返納して移動手段を手放した方もメチャメチャ多い。実はコミュニティバスを走らせるのに良い場所だと思う。

現代の公共交通というのは、大量輸送で成り立っているところがある。大きな設備投資と運行費用がかかるものの、これは1人乗っても100人乗ってもあまり変化のない固定費となっており、多数の乗客でそれを頭割りにすることで一人あたりの単価を劇的に下げる。これはとても有効な方法だが、運行あたりの固定費がそれなりにかかるため、絶対的な乗客数がないと現実的な運賃で運行できない。低密度化したコミュニティには向かない。

自動運転EVバスは、小さい集落を回るコミュニティ交通に本質的に適したものとなる。つまり、人件費と燃料費が最小限しかかからないため、運行あたりの固定費がきわめて小さく抑えられ、分散すべき費用がほぼ初期費用のみとなるのだ。

大量輸送が必要にならない公共交通、というのは人口密度の低い地域での移動の自由の確保に最適である。バスなので速度は上がらないだろうが、それでも自由に移動するための手段が家のすぐそばに来てくれるというのはありがたい。老人、子供、学生といった交通弱者に移動の自由のミニマムアクセスを提供する方法として、とても優れているはずだ。

現在はまだ車両も高く、無人化もできず、ソーラーが普及してないために電気代もかかる。でもそれは単なる時代のパラメータだ。将来こうしたコストは必ず大きく減っていく。限界費用はとてつもなく安くなる。そうなれば、交通弱者にも強者にもメリットのある、本当の意味での公共交通という、きわめて重要なインフラになっていく。

だからオレが思うのは、実証実験ならば、将来の発達の方向性を見据えて安くすべきだったんじゃないの? ということだ。1日100円乗り放題とかにしたかった。1回190円だと往復380円かかるので、高校生にはちょっと大きいと思う。行きたいところに気軽に行けると、さまざまな副次効果が生まれる。

kamosawa.hatenablog.com

イーアスを含む海沿いの埋立地は近年大規模開発で賑やかになった場所で、市役所や中央病院もある。バスはそのへんをちゃんと回るし、有名なアウトレットモールにも寄る。老人が病院に行ったついでに、子供や孫の話に出てくるモールで買い物。あっちでこれ買ってきたんだよ、って話題にできる。QoLがとても上がる。目に浮かぶようだ。

いやー楽しみですね実証実験。イーアスまで乗りに行きますよ。自分のクルマでw