日本人の人格的美学ってバカ殿様たちにたいへん好都合だけどそろそろ卒業させてもらってもいいんじゃないの?

ちょっと前に、こんな話が流れてきた。

 

「彼」が起きてきたら、途端にこの体たらくである。

 

全国一斉休校の速報に専門家も「ひっくり返りそうになった」 新型コロナ感染拡大防止のためにどこまですべきか?

 

長い江戸時代の間に構築された日本の文化には「バカ殿の存在」を前提にした部分がたくさんある。殿様がアホでも取り替えるわけにはいかないので、部下が勝手に頑張ることで集団を守るという考え方による。

明確な指示がなくても忖度で良い感じにやっておく、なんてのはその例だし、無払い残業を強要するブラック企業とか、そこまで行かなくても休みを取った人が(管理職が、ではなく取った人が)恨まれちゃう風土とか、「敗戦とは天皇陛下に申し訳が立たぬ」とか、もうほんといくらでもある。職責にかかわらず上司に責任を負わさない、自分らで勝手に抱え込んであげちゃうメンタリティがはびこっている。

そもそも、日本人の美学そのものがそうなのだ。「武士道」みたいなファンタジーにしても、「周囲がどうであれ、上役が腐っていてさえ自分の忠義を貫く」なんて考え方は、腐敗した無能なトップにとっては好都合なことこの上ないでしょう?

ところが、先進国の「ふつう」は違う。彼の国では上の者ほど優秀であるところが日本とは違います、と勝海舟が報告したとおり、トップ層がきちんと選別されている。

だから国同士の争いになると、日本的な方法は、ありとあらゆるところで破綻して大負けする。自然現象を相手にしているときは、日本の政府だけが劣後して、国民が大迷惑を被る。

ちなみにうまくいくときは、システム的な強さではなく、そこに存在した個人がとても優秀だった場合である。再現性はない。

もうそういうの、やめにしないかな、と思ってる。そろそろいいんじゃないですか?

「軽い神輿」を担いでるのが「公選を経てない官僚」というギャグみたいな(民主主義的には悪夢みたいな)図式を捨てないと、みんな納得して死ねない。

上を優秀にしたければ、ダメな上司をちゃんと放逐する必要がある。政治家だったら世襲の人は無条件で捨てておき、アタリが出るまで引き続け、アタリかも、と思ったら、多少のことには目をつぶって10年くらい任につけておくのだ。

まあ、「優秀さ」も難しいではある。日本って現場は優秀だけどマネージャーは壊滅気味なので、日本的な優秀さを持っていると先進国の普通のリーダーにはなれないのでは?と疑っていたくらい。

だけど、これはどうも絶対的な必然ではないというのが昨今のオレの感覚。これは選別の問題なのである。日本にもちゃんと先進国的に優秀な人はいっぱいいる。でもそういうスタイルだと、足を引っ張られて上に行けなかっただけなのだ。これは神戸大の感染症内科を見てもわかるように、組織単位の改革でなんとかなる範囲である感じ。

あと、日本の文化を大幅に取り入れている台湾が、非常にマトモな文明国になっているのを見ると、日本でもなんとかなると思えてくるんだよね。

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「だいじょうぶ、日本でもできる。」

そういう「横並び意識」ってのが発揮されないかなー、と思っている。