カメラの修理

友人からカメラをいただきました。

Pentax K10Dという5、6年前の機種で、SDカードが読み書きできなくなっており、古いので修理するくらいなら買ったほうが安いというもの。

SDカードを入れてみると、たしかに「カードが異常です」とか「カードがフォーマットされていません」とか出ます(カードによって変わる)。フォーマットしようとすると、1秒くらいプログレスバーが出た後で、やっぱり「カードが異常です」になります。

ファームを更新してPCに直結すればモノを撮るくらいは使える、という話だったけど、ファームの更新にはSDカードが必要でした。無理無理。

まずは「単なる接触不良じゃん?」と疑ってみて、カードの端子をえんぴつでこしこしこすったりしたけど、症状変わらず。ファームウエアリセットを試みましたが、設定をリセット出来るだけでした。

「やっぱりハンダクラック?」と思って、分解情報を探してみました。すると、Pentax Hack というサイト http://www.pentax-hack.info/ に、英語版のサービスマニュアルがあった。印刷しちゃいました。

で、分解。




指定通りにバラしていくと、"Unsolder lead 4 wires"などという指示がたくさん。単なる分解でハンダを外したり、あとぼくはそこまで分解しませんでしたが、撮像ユニットのあたりをバラすと、定盤とダイヤルゲージで高さ調整をしたりする必要がある模様。カメラの世界ってすごいのね。SDカード基板にたどりつくまでに20ヶ所くらいのハンダを外しました。帰りが怖いです。

カードスロット基盤を見てみると:



主基板へのコネクタ付近が錆びてました(白くなった部分が電食物)。
おそらく上のダイヤル部分から水が入り、電食物がへんな半導体になってるのでは…ということでアルコールでよく拭きます。SDカードソケットの端子などはハンダのやり直しもやっておきました。

ところが、メイン基板側を見ると、さらにひどい腐食が。


これは…。

一応同じようにアルコールで拭いたり導通チェックしたりしたけど、コネクタ自体よりも、近くの8ピンのICがヤバい。足が完全に腐ってる感じ。導通チェックやジャンパ飛ばしも考えたけど、パターンが細かすぎて追いきれませんでした。

組み直し。鉛フリーはんだが硬くてやりにくかったですが、一応ミスはしてないと思う。

だいたい組んでテストしてみると、相変わらずの「カードが異常です」表示が出ました。ものすごい徒労感。さらに、最初の状態より動作がおかしくなってます。「F--」と表示されて、シャッターすら切れません。いじり壊しちゃったかー、恥ずかしいなあ。このまま捨てるか、などと思ってたんですが、これはマニュアル露出のレンズを使っているせいでした。対策する設定に直せば大丈夫! 元に戻った!

…いや、元に戻るだけでは困るんですが。

ちなみに、マニュアル露出のレンズというのは、付けてくれたタムロンの70-210望遠マクロです。このレンズは最近のペンタックスのカメラに対応しておらず、自動絞りが効きません。このためカメラをマニュアルモードにして、絞りも手動で絞った状態にしてからシャッタースピードを合わせてやる必要があります。

この操作が面白いので、ちょっと撮ってたら、なんかエラーメッセージが出てない気がする。再生ボタンを押してみたら、なんと記録されてるではないですか。

そういえば、さっき完全に組み上げてからカードを抜き差ししてみたときに、スロット近くにあるオレンジ色のランプらが点滅してました。このランプ、今まで気づいてなかったけど、シャッターを切ったときも点滅します。SDカードのアクセスランプだったみたいです。

その後、4枚撮ったところで「画像を記録できませんでした」と出るようになってしまいました。あったまると出るのか、どこかまだおかしいのか、もう一度分解するのはリード線が持たないぞ…などと考えながらカードの抜き差しなどしているうちに、また使えるようになりました。

一晩経つと、異常はもう出なくなってました。












100枚ほど撮ってみましたが、一眼に望遠マクロだと、なんでもないものが絵になってくれますね。
このレンズを使う場合、絞り、シャッタースピード、ピント、ISO感度まですべてマニュアル操作になりますが、これはいいものを頂いたという感じがします。実はE-P2を買ったばかりなんですが、家ではこちらがメインになるかもしれません。