読んだ。
広報として重要なことは、工場や配送センターに在庫はあっても「輸送などサプライチェーンの問題で簡単には店頭にならべることは難しいこと」「供給されるまで、少し時間がかかること」「そのうち解消される問題であるということ」、つまり、この物流の問題であることを淡々と情報提供し、理解してもらうことが重要になります。
この社会現象の解決策は、安易にデマのせいだ、踊らされる人々が悪いなど社会不安を煽ることではなく、都市物流に課題がある事実を丁寧に説明し、現在の状況と見通しを伝えていく、落ち着いた報道です。
トイレットペーパーの話です。
ウチは今回、「トイレットペーパーは確かにどこにもない。コンビニで見つけたけど買っておくか?」と聞かれたときに断ったりしている。
自分的にはそっちの方が当たり前の対応なのだが、まあ、世間的に当たり前ではないことはわかっている。
オレがそういう結論を出したのは、以下のような判断材料があったからだ:
- 上記の都市物流問題を知っており、回復にかかる時間もわかる
- 残数および1ロール日数から何日持つかを概算できる
これらをもとに、20日くらい持つから、まあ沈静化してるでしょ、という判断をした。
ただ、そうした判断を行動に移せたのは、次のような心理条件を持っていたからでもある:
- みんなが右に行ったら左に行きたいという天邪鬼の心
- 先安観のあるものなんか買いたくないという相場の心
- 紙が切れてて水で洗った経験
- 「なんで買っておかないの!」と怒られる不安がない
こうしたものがみんなに備わっているとは思えない。特に最後がなー。
記事では「都市物流の問題を淡々と伝えろ」と言ってるけど、それには上の方の判断材料を持ってることが必要だ。でも、そういう材料を自然に集めちゃう人って、下の方の心理条件をなんとなく持ってると思うんだよね。
マスコミの人たちにそういうものがあるとは期待できない感じがする。そもそも今回の騒ぎは、マスコミの人たちの不安がみんなに伝わってるようにも見えた。
つまり、マスコミの人たちこそ、
- 現代の都市物流の常識を知らず
- 自分ちがあと何日でペーパー切れになるか把握できず
- 相場に関係なく足りないものは買わねば!と思っており
- みんなと同じことをやりたがり
- 紙がなきゃ拭けない!という気分で
- 家の在庫が切れてたら怒られる(または怒る)
のではないか。
「不安を取り除く報道をしてください」と言われた本人が不安となると、どうしても限界があるんじゃないですかね。