読書感想文の書き方と自由研究の書き方を公開します。

夏休みの宿題用にドキュメントライティングのパンフレットを作りましたので公開します。


これらは地域の教育ボランティア活動で小学生相手のワークショップをやるために書いたものです。日本風の「なんでも自由に書かせる教育」ではなく、アメリカの「文書による情報共有のできる教養人を作る教育」に則ったものになっています。形式を定めることで、逆に自由に書けることを狙っているものでもあります。

読書感想文の書きかた

『読書感想文の書きかた』は、もともとは穴埋め式の読書感想文シートを作ろうとしてできたものです。ネットにあるさまざまな「読書感想文の書き方」を参考に覗いてみたところ、「こうすれば賞が取れる」を目指す動きを感じたので、それは違うだろ、と思い、その後のドキュメントライティングに役立つように、オリジナルなものを書くことにしました。対象は低学年以上です。


読書感想文は日本特有の散文の作文の一種ですが、実用的なレポートと見ることも可能で、その本質はエッセイです。アメリカの文書教育ではエッセイも定型文の一種で、構成や書き方をそのように習います。こうしたことを、パラグラフの構造が定められているのと同じくらい自然な、共有可能な知識として知っているのは重要だと思います。


ですから、『読書感想文の書きかた』では構造を意識するように、イントロ、本文、結論(「はじめ」「なかみ」「おわり」)それぞれの意義をまず定め、読書感想文の場合はこのようにする、という形にしました。


3ページ目は穴埋めです。「はじめ」に穴埋めで本の情報を書き、本文は自由フォーマットでバラバラに書いて並び替え、結論は半分穴埋め、半分自由フォーマットにしてあります。最後に原稿用紙に写していけば完成、としましたが、このドリルのページはちょっとまだ不完全で使いにくいかもしれません。

自由研究は論文として書こう!

『自由研究は論文として書こう!』も、「文書による情報共有」や、その裏にある科学思想「知の自由競争」を意識してもらうように書きました。対象は主として、「自由研究をどのようにまとめていのかわからない」という、研究能力に比べてドキュメンテーション能力の低い小学生と、その親です。


こちらの文書でも、この「はじめ」「なかみ」「おわり」の形式を取っています。論文の「はじめ」はこれ、「なかみ」はこれ、「おわり」はこれ、という書き方です。それぞれの項目にはおおいに意味があり、量もまちまちで、穴埋めドリル的な方法では書ききれないので、文章と例文で項目を説明しています。また、再現性、これまでの知見と得られた知見の区別、引用方法なども意識できるようにしました。


読んだり使ったりしていただいて、フィードバックをいただければ幸いに思います。