沖縄の一般家庭向けソーラー設備の資料を見せてもらった

昨日はお友達に、家庭用のソーラー発電設備(工務店に頼んで設置してもらうご家庭用設備で売電を見込んでいるもの)の見積やデータを見せてもらった。このお友達は沖縄県中部でいままさにソーラーパネルを導入しようとしてる戸建てオーナーの方で、複数の会社から提案と見積をもらってるのを全部。各社本気の見積もりです。

沖縄のリアルな話はネットにはぜんぜん出てこないので、いろいろすごく勉強になったんだけど、中でも衝撃的だったこと。

  • どこの業者もパネル傾斜角が5度
  • 7月の発電量が他の月を圧倒

5度とな! ほぼ水平!! NEDOのデータでシミュレートすると、沖縄で理想的なパネル傾斜角は21度だったはずなので、16度も違う。これは「とにかく台風が怖い!」というのと、冬を捨てて夏の発電に傾斜配分してるということだと思う。

なるほどなるほどですよ! だって沖縄の昼間の電力需要で一番デカいのは夏のエアコンなんですもの。

冬は曇ってていまいち発電しないんだけど、それをカバーしには行ってない。需要も小さいので、たくさん発電しても売電に流れるだけだからでしょう。渡される沖電の方も扱いに困るはず。

逆に夏には需要が逼迫する。自己消費は最大になるし、沖電的にもどれだけ流れてきてもウェルカムと思われる。

沖縄は台風がとにかく怖いのでパネルをなるべく寝かしたいのを前提に考えると、夏至前後の南中太陽高度がほとんど90度になるので、1ヶ月後の7月に5度(高度85度の太陽に正対)は悪くない。しかも傾斜をつけないことで朝夕の低い太陽への偏角が小さくなり、この時間帯の発電量が多くなるメリットもある。でも完全に無傾斜だと汚れが落ちないので5度にしました…ということだと思う。いいですね。納得ですよ!!

あと「おお」と思ったのが、

  • インバータが30万円均一

だったこと。複数の業者が同じ値段。どこもだいたい5.5kWのインバータ(パワコン)を中心に提案してるんだけど、どこも15年保証で30万円の機器として売ってる。

日本製5.5kWのパワコンも、安いやつなら10万ちょっとで買えるので(参考)、これはモニターの充実した高機能・高性能品に、しっかりした保証をつけて売っているということ。格安のものを保証無しで使って自分でモニターシステムを組むのもそんなに難しくないと思うけど、電気工事士も持ってない普通の人には修羅の道。交換費込みで良いものが使えるなら、その方が良いと思う。

あと気づいたのは、パネルが案外安く提案されてたこと。前に書いた、系統連系には日本製の認定なんちゃらが必要という話はガセで(そもそも日本製パネルはほとんど全滅してるし)、中国製を中心に400Wくらいのパネルを1枚4万以下で提案してるとこが多い。オレが買ったほどは安くないので少し利幅が乗ってると思うけど、kWあたり10万は切っており、まあそんなもんじゃないかと思いました。

残りの費用は架台がパネル1枚につき2〜3万に、こまごまとした工事費。配線関係は高い業者もリーズナブルな業者もあるかな。さらにクレーン代、手続き関係などが入ってくる。どれも期待される作業からすれば高くはない。積み上げると10kW前後で200万円前後という提案になる。

これは悪くないですね。オレが構築中の限界ソーラー発電所のせいぜい2倍程度のkW単価で非常にまともな設備が導入できるなら、むしろそっちの方が良いかもしれない。削れるところは、まあ、ないでもないんだけど、妥当なコストを積み上げた末の値段なので払っていいと思います。沖縄なのでサビ対策にもカネがかかりますし。いずれにしても10年後には確実に元が取れてる。自作限界発電所の2倍というと高そうだけど、ぼったくりではぜんぜんなかった。

そんなわけで手のひら返しであれだけど、「普通のソーラー」、かなりオススメです!

オレはオレの道を行くけどな!!!