『3Dプリンタを使ってみよう』

今年になって3Dプリンタで遊んでいます。


オレはもともと10年以上前からMake:誌で3Dプリントの記事があると訳してました。CandyfabからCupcake界隈のことまで、3Dプリンタ全般について割に景色が見えている気でおりました。それで逆に、安価になってきたモノがちょっとオモチャに見えすぎてブームに乗る気がぜんぜんなかったんですね。


ところが、そういうことを言ってるうちに浦島太郎になっていたのに気が付いたのがここ数年のこと。活用してる人はメチャメチャ活用してて、とても面白そうな感じなのに、なんか最近あまりよくわからないな、と思うようになった。


そんなわけで、とても安くなっていたRepRap i3互換の金属フレーム機を買いました。


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届いたものを組み立てて使おうとしたところ、ぜんぜんうまく動かない。

  1. プリンタヘッドの温度がぜんぜん上がらない
  2. 書いてある対策通りにヘッドの冷却ファンを止めたら上がった。
  3. 上がるようにしたらノズルが詰まった
  4. そもそも電源の容量が足りなかったのが原因
  5. プリントベッドの調整もネジ穴が小さすぎてうまくいかなくて加工

などなど、最初から本質を見極めて修理していく必要がありました。


そうやってどうにかこうにか動かしてみることでメチャメチャ理解度が上がって思ったんですが、こいつはホントに誰にでも理解できる汎用部品の塊で、誰にでも理解できる仕組みで動いてるんですね。


3Dモデルを薄切りにするとか、その輪郭をベクトルで取るとかのアルゴリズムは誰にでも理解できるものではないのだけど、それを操作するステッピングモーターの動作とか、プラスチックに熱をかけて溶かして糸にするとか、座標指定した場所にヘッドを持って行くという動作だとかは小学生にも理解できます。


子供のときに分解魔だった人はわかると思うけど、ちょっと昔の機械って、洗濯機でもクルマでもなんでもそうだけど、目に見える、理解できる動作の部品の組み合わせで目的の機能を達成しており、見えない部分でもたとえばパラボラマイクによる集音のように、数学的にはビジュアルに説明できるものが大部分でした。それがいまはマイコンで機能の95%くらいが達成されてて、いきなり目的の動作をするわけです。いわゆるブラックボックス化が激しい。


3Dプリンタの場合、ブラックボックス化されてるのは本当に難しい部分、3Dモデルを作るとか、それをスライスして輪郭を取り出すとか、座標で表現したポイントに手を動かすとか、そういうことです。人間がやるとしたら「できるけど説明できない部分」です。あとの部分はかなり可視化されてる。これ、仕組みを見て喜ぶ人にはメチャ魅力的なのではないか。


そんなわけで、日本野人の会・沖縄ハッカースペースの活動として、小学生向けの3Dプリンタワークショップをやろうと思ったのでテキストを書いてます。

『3Dプリンタを使ってみよう どんなものでも作るには』

まだ核の核みたいな段階で絵が少ないし概念も複雑なままだけど、これから使いながらだんだん読みやすくしていきます。


もしよかったら感想などお聞かせください。


ワークショップとしては、これにTinkercadチュートリアルを組み合わせる感じです。文言はだいたい訳したんだけど、これはできればAutocadの人に渡して本体を日本語対応してほしいと思ってるので、中の人とか、中の人に伝手がある方とか、いらしたら教えてください。